私立中学受験・公立中高一貫校受検・高校受験のメリットと事実

中学受験

中学受験は「危険物取扱注意」です。指導歴25年の受験指導専門家の西村創が、「私立中学受験」、「公立中高一貫校受検」、「高校受験」のメリット、知っておきたい事実を紹介します。

私立中学へ進学するメリット

私は、私立中学へ進学するメリットは主につぎの3点だと考えています。

1 建学の精神と教育理念 

学校ごとに独自の教育理念があり、子供に合った校風の学校を選択することができます。 

2 効率の良い中高一貫カリキュラム 

中高6年間で学ぶ内容を5年間で先取り学習ができ、残りの1年間で大学受験勉強に専念できます。

3 東大( 理III)への入学 

東京大学 (理III) をめざすなら、私立中難関校 への入学が有利です。 

私立中学合格の条件

中学受験は、だれにでもおすすめできるわけではありません。

特に、大手進学塾に通って、ある程度進学実績の高い、偏差値の高い人気校に行くことをめざすのであれば、受験に向いている子供でないと合格は難しいです。

私立中学に合格しやすい子供の特徴を以下に3点挙げます。

1 知的好奇心が旺盛
知識を広げる(深める)ことに喜びを感じられる子供でないと、親や塾の講師がいくら働きかけても、 受験勉強の「やる気」が長続きしません。

また、負けず嫌いの性格の子供が中学受験向いています。

思考や作業のスピード感があることも中学受験には重要です。

ただ、小学生段階では子どもの成長度合いによって差が大きいのが事実です。 

2 精神年齢が高い早熟タイ
中学受験は精神的に成長している早熟タイプが圧倒的に有利です。

たとえば、国語の入試では、抽象度の高い論説文や「笑顔の 裏に隠された悲しみ」、「異性にわざとそっけない態度を取った心情」などを読み取らせるといったような小説文が出されます。

他教科でも論理的な思考力が求められる問題が多く、精神的に受験適齢に成長していない子供は解法テクニックをいくら 学んでも解き切れません。 

3 家族も子供の中学受験勉強中心の生活になる覚悟がある
中学受験は高校受験や大学受験とちがって「受験する人の方が少ない」という特殊な受験です。

受験する子供本人はもちろん、 家族も塾の送り迎えからお弁当の用意(ときには2食分ということも)、塾主催の説明会や面談、中学校見学などに積極的に関わる 必要が出てきます。

精神的なサポートをできることや、経済力があることも条件です。 

私立中学受験の事実

1 学校の勉強とはまったく違うレベルの難しい内容が問われる
難関の私立中学受験では、小学校で勉強している内容とはまったく別と言っていいくらい難しい内容が出されます。

学校のテストは 習った内容を身につけているかを「確認」するためのものですが、私立中学入試問題は「選抜」するための問題です。

学校の指導要領を 大幅に逸脱する内容が入試で問われるのは、中・高・大の入試の中で中学受験だけです。

学校のテストで満点を取り続ける子供でも、 中学受験模試になると0点近いということも。 

2 勉強嫌いになったり、勉強ができないと思いこんだりすることも
中学受験の内容はレベルは高く、たとえば理科・社会は中学校よりも「広く、深い」内容になっています。

子供によっては「自分は 勉強ができない」と思いこんでしまったり、親からの「勉強しなさい」という言葉が勉強アレルギーを引き起こしてしまうことも あります。

また、中学受験終了と同時に燃え尽きてしまうのもよくあることです。

3 3人にひとりしか第1志望の学校に合格できない
私立中学の受験倍率は多くの学校が3倍以上で、10倍を超える学校も珍しくありません。

新4年生の1学期、つまり小学3年生の2月から ほぼ毎日塾に通って総額200万円以上の学費を払って受験に臨んでも、「3人にひとりしか第1志望校に入れない」と言われています。

中学受験は年齢的なものからくる精神的な脆さから「まさか」の不合格も多く、不確定要素も大きいです。 

公立中高一貫校へ進学するメリット

私は、公立中高一貫校へ進学するメリットは主につぎの3点だと考えています。

1 私立中並みの教育環境
ほぼ無償で私立中学並みの教育環境で学ぶことができます。 

2 校風への適性
適性検査は「学校の校風に合うか」を見るためのもので、合格すればその学校に合う 可能性が高いです。 

3 受験勉強期間
私立中の受験勉強は小3の2月からが基本ですが、 都立中は適性しだいで小6からの勉強で合格可能です。

公立中高一貫校合格の条件

1 精神年齢が高く、論理的に物事を考えることができる
都立中では小学校の学習指導要領を超えた内容で「選抜試験」をすることができないことになって います。

そこで「適性検査」と称して受験者の思考力・表現力を問うてきます。

やさしい問題とは言えず、「社会のできごとへの関心が高い」「精神年齢が高い」「論理的にものごとを考えることができる」というような子供が有利です。 

2 文章を書くことを苦にせず、客観的な文章を記述できる
「自分の体験をもとに、400字で答えなさい」というような記述問題が多いのが「適性検査」の特徴です。

「書く力」は身についても、「体験談」を書けない受験生は多く、いろいろな体験をしてきている子供が有利です。

また、自分は直接体験していなくても家族や 友人、本などを通じて「疑似体験」を多くしていることも有利な条件です。 

3 私立受験のスタンスをあらかじめ決 めておく
もともとは都立中高一貫校へ通わせようと塾に通わせて受検をしたものの、結果的に私立中に進学するケースも多いです。

最終的に授業料の支払いが困難になったり、中3になってから外部の高校に進学したくなったりすることも珍しくありません。

私立中は「受けない」「受かっても行ない」と事前に決めておくことが都立中受検 成功の条件です。 

公立中高一貫校の事実

1 超高倍率の狭き門
人気のある都立中高一貫校は10倍近くの超高倍率。「受験生多くが不合格」になります。

一方、同じ都立の学校でも高校受験だと 倍率は2倍未満のところが多く、かなり入りやすくなります。

中学受験ではなく、高校受験を目標にすることで、将来の学校選択の幅を 広げるという考え方もあります。 

2 「 適性検査」と呼ばれる入試の問題は私立中と大きく異なる
都立中の適性検査は「学力試験」ではないため、国語や算数といった科目の概念がありません。

私立中学の入試問題とは問題傾向が 大きく異なります。

たとえばニュースについての関心や問題意識を問うものや、日常的な感性や観察眼を持っているかが試されます。

したがって「このカリキュラムで学習すれば合格できる」という決定打がありません。

模擬試験の偏差値通りの結果が出るというものでもなく、合否を読みにくいという特徴があります。 

3 私立中との併願が多い
都立中の「適性検査」に近い入試を行う私立中も急増しています。

しかも学費が免除される「特待生」コースも あり、経済的な負担も軽減されます。

都立中入試の勉強をしながら私立の併願もしやすくなっています。

ただ、「学力選抜試験」では ない「適性検査」で入学した生徒との知識量の差が入学後さらに広がって二極化していく学校も多いようです。

高校受験のメリット

1 能力よりも学習量
個人の成長度の差が少なくなり、努力の量 が成績に結びつきやすいです。 

2 将来の学校選択の幅
中学3年間で将来の方向性を模索しながら、 自分に合いそうな国立・都立・私立高校を 検討できる。 

3 健全な小学生生活を送れる
成長期に必要な運動量をこなす時間が取れ ます。友人と遊ぶ時間も取れるため、コミュ ニケーション力も培えます。 

高校受験(難関校)合格の条件

1 小学生のうちに「 基礎学力」をつけておく 

「小学生の間に小学生の学習内容を身につける」ということができている子供は中学生になってから 学力の伸びが早いです。

たとえば小学生範囲の漢字の読み書きや語い力、正確な日本語で文章を 書く力や計算力など、学校の教科書レベルのことを身につけておくことで、高校受験の成功が期待 できます。 

2 小学生のうちに「学習習慣」をつけておく
忘れずに宿題をする、提出物は期限までに出すというような「あたりまえ」のことを小学生のうちにできるようになっておくことが 大事です。

また、塾での漢字などの確認テストで満点を取り続ける姿勢が、中学生になってからの内申点につながり、高校受験 成功の土台となります。 

3 「 思考力」と「記述力」
都内の中学生の7割以上が都立高校を志望しています。都立高校の中でも特に人気のある上位の学校は、その他の学校の「共通 問題」よりも深い思考、字数の多い記述問題を課す「独自入試問題」を採用しています。

この独自入試問題へ対応できる力をつける のには時間がかかります。早期からの取り組みが必要です。 

高校受験の事実

1 要領がいい「うさぎタイプ」より、コツコツ続ける「かめタイプ」
中学生になると小学生よりも精神年齢のばらつきが少なくなります。

努力を継続すれば、難関高校にも合格することが可能です。

特に都立高校受験は中学受験と違い、学習指導要領を大幅に逸脱した問題が出されることはありません。

長文を読む力や記述力 は問われますが、早期からの学習で対応する力を身につけることが可能です。

高校受験は「努力しない天才よりも、がんばる普通の子」が成功 します。 

2 学校の通知表も合否判断の基準にされる
中堅以上の都立高校では当日の筆記試験の点数と学校の通知表の内申点が「7:3」の割合で合否の判断基準にされます。

したがって、学校の成績も軽視はできません。

ただ、学校の定期試験は数学以外ならほぼ暗記で対応可能です。努力が結果に結び つきやすいです。 

3 第二反抗期における学習が学力・ 成績を左右する
部活への取り組み、異性への意識、ゲームやスマホでのLINEのやり取り…多感で学校行事で忙しい中学生を勉強に専念 させるのは簡単ではありません。

受験勉強と部活、学校行事などをバランスよくこなす必要があります。

それがうまくできるかどうかは、小学校時代の習慣付けが大きく影響します。 

 

私立中学受験・公立中高一貫校受検・高校受験にはそれぞれメリットとリスクがあります。

どれを選択するかの判断はお子様の特性次第です。

お子様のことを第一に考えて、一緒に相談しながら、考えていただけたらと思います。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!

お子様の進路をご検討いただく材料となれば幸いです。

お子様のより良い将来を応援しております。

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