講師歴25年、塾6社に勤めた著者が本音で伝える塾選び本当のコツ

「うちの子もそろそろ塾に通わせようかしら」と思われている方、いらっしゃるのではないでしょうか。

塾選びは子供の進路に大きく影響します。

どの塾を選ぶかによって、子供の進学先が決まると言ってもいいくらいです。

でも、塾選びは意外と難しいもの。

そこで、講師歴25年、塾6社に勤めた私が、「塾選びの本当のコツ」を本音でお伝えします。

家庭の教育方針を「ユルく」決めておく

結論から言うと、万人に「いい塾」というのは存在しません。

塾ごとに指導方針が異なり、その指導方針と、家庭の教育方針、そして何より子供の特性がかみ合ってはじめて「いい塾」の第一条件が整うからです。

(すべての条件ではありません。あくまで第一条件なので、その他の条件は後述します。)

そこで、塾探しをする前に、家庭の大まかな教育方針を決めておく必要があります。

家庭の教育方針とは、たとえば、つぎのようなものです。

  1. 高度な勉強をして難関国私立をめざしたい
  2. とことんハードに取り組んで早慶附属をめざしたい
  3. じっくり勉強に取り組んで基本からしっかり身につけたい
  4. 記述力を身につけて都立中高一貫校をめざしたい
  5. 思考力を高めて難関公立高校をめざしたい
  6. 学校の勉強の理解度を高めて学校の成績を上げたい

これらの教育方針によって、どこの塾から調べるかという塾選びの指針が決まります。

たとえば、上記の方針に合いそうな塾は、以下のような塾が挙げられます。

  • 「1」→SAPIX、Z会
  • 「2」→早稲田アカデミー
  • 「3」→日能研、四谷大塚
  • 「4」→ena
  • 「5」→河合塾Wings
  • 「6」→臨海セミナー、馬渕教室

家庭の教育方針を決めるにあたって留意したいのは、お母さま、お父さまお二人の方針をすり合わせておくことです。

これまで私は、教育方針の相違から夫婦間の衝突が起きて、子供が勉強に集中できなくなるのを見てきたからです。

でも、家庭の教育方針は、細かいところまで決める必要はありません。

というよりも、教育方針は子供の特性、成長、通塾してからの状況に合わせて調整していくものです。

あまり「うちの教育方針は●●だ」と固めすぎると、子供が思うように歩んでくれなくて、不幸になります。

そもそも子供は親の思うように歩んでくれないものです。

子供の教育方針はあえて「ユルく」を決めておきましょう。

「教室」と「教室長」のカラーを知る

先ほど、塾ごとに指導方針が異なり、その指導方針と、家庭の教育方針、子供の特性がかみ合ってはじめて「いい塾」の第一条件が整うと述べました。

それでは、「いい塾」探しの第二、第三の条件についてお伝えしていきます。

塾ごとの指導方針は、webサイトやパンフレットを見れば、すぐに理解できるはずです。

家庭の教育方針が決まれば、それに合いそうな塾をいくつか見つけられると思います。

ただし、意外と盲点なのは、同じ塾であっても教室によって特徴、指導方針の差があるという事実です。

たとえば、A駅に近いA教室は面倒見を重視し、B駅に近いB教室は自立学習を重視するとうようなちがいです。

そのちがいは、その教室に配属されている、教室長と講師によって表れます。

この、最寄りの教室の教室長と講師が、塾選びの第二条件となります。

そこで、教室長に入塾相談の面談を申し込み、教室長自身から教室の指導方針を聞くことをお勧めします。

私は栄光ゼミナール、明光義塾、早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wingsに勤めましたが、どこも教室長の考えによって、教室の運営に色濃く反映されていました。

(私は駿台香港校、河合塾Wings芦花公園教室、用賀教室の教室長をそれぞれ務めましたが、当時の教室はやはり私の個性が教室運営にかなり現れていたはずです)

また、教室の指導方針を聞くと同時に、その面談を通じて、その教室長が信頼できそうかを見極めてください。

塾全体ではなく、教室単体の合格実績を知る

教室長の指導方針と人間性に共感できそうであれば、つぎは指導実績の確認です。

指導実績とは、塾の教室全体の実績ではなく、一教室単体での実績です。

たとえば、チラシやwebサイトでは「■■ ●●名合格」などと宣伝されています。

これは、「その塾はその学校の合格実績を重視している」ということを知るための目安程度でしかありません。

たとえば、SAPIXは御三家、早稲田アカデミーは早慶附属、enaは都立中高一貫校、河合塾Wingsは難関都立高校の合格実績を前面に出しています。

それは、そこをめざす生徒に入塾してほしいという塾のメッセージです。

じつは合格実績として出している、各学校の合格者人数は、指導力の証明にはなりません。

いくら合格者を多く出していても、不合格者も多く出している可能性があるからです。

合格実績は塾生の数が多い塾であれば、見栄えがある数字を出せるのは当然です。

そこで、教室長には、

  • 何人受験して何人が合格したのか
  • 昨年度受験学年を指導した講師は今年度どれくらい在籍しているのか

を聞くことで、その教室単体の指導力をある程度知ることができます。

昨年度高い合格実績を出している教室でも、その講師たちが今年度は他教室に異動して、ほとんど残っていないということもあるからです。

特に教室数が多い大手塾は、教室長を含めた講師の異動が盛んに行われています。

 

つぎに、実際にわが子を指導してくれる講師の確認です。

  • 各科目担当講師の指導歴とこの教室での配属歴、キャラクター

を聞けば、教えてもらえます。

 

そして、最後に一番重要な確認があります。

これまでの確認を通じて、

  • 塾、教室長の指導方針と家庭の教育方針がマッチしていそうだ
  • 子供の特性にも合いそう、指導力もありそうだ

と親が思っても、講師と子供の相性が合わないと、勉強のモチベーションと成績アップにつながりません。

実際にすべての科目の授業を体験してみて、

「この先生の授業なら受け続けたい」

と子供自身が思えるかを確認してください。

費用は受験学年になってからの年間の費用まで確認する

最後に、費用面の確認です。

塾の中には、レギュラー授業の月謝を下げたり、入塾後2か月間無料にしたりして安く見せながら、講習の費用でその分を補ったり、テキスト代やテスト代、施設維持費、通信費を別途徴収したり、夏合宿や正月特訓、志望校別特別対策講座で儲けを出すところも少なくありません。

小学生の間通塾してくれた生徒には中1の1年間の授業料を無料にするという塾もあります。

そのようなことから、「これくらいの月謝なら無理なく払える」と思っても、後に想定以上の出費がかかることもあります。

そこで、塾の費用は、オプション講座の費用、受験学年になってからの年間トータルの費用を確認しておくことをおすすめします。

また、弟妹がいる場合は、兄弟割引があるかも確認しておくといいでしょう。

塾選びは慎重に

一度通い始めた塾は、できれば卒業まで通い続けたいものです。

途中転塾は、いろいろなムダが発生してしまいますし、お子様の学習意欲にもマイナス影響を与えます。

お子様が大人になって振り返ったときに、「あのときあの塾を選んで通ってよかった」と思えるように、総合的な観点から塾を選んでください。

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