【子供を勉強好きにする方法】アメとムチ方式の教育が逆効果の理由

親の働きかけ

私が子供の頃は「アメとムチ」という、ごほうびと罰を使い分けて、子供を教育する方法が学習塾で主流でした。

近所のスパルタ塾、ありましたよね。

私もそんな指導の洗礼を受けてきました。

私は勉強に対しての不真面目さではトップクラスだったので、「ムチ」ばかり食らうはめになり、やる気はほとんど出せずに少年期を過ごしました。

真面目な生徒は「ムチ」よりも「アメ」を与えられることがほとんどだったのでしょうが、今考えると「アメ」指導も、プラスよりもマイナスの方が大きいのです。

はっきり言って、アメとムチ方式の教育は、やる気の敵です。

自分でやる気を出せなくなる

以前の記事で、「やる気」の源は何だかお伝えしましたが、覚えているでしょうか?

「やる気」の源は「好奇心」です。

(▶︎子供を勉強好きにする方法、コツは「好奇心」と「成功感」のサイクル

好奇心は、どの子供も、もともと持っているものです。

でも、アメで好奇心は溶けてしまい、ムチで砕けてしまうのです。

塾の生徒は、

「じゃあ、これができたらアイスおごって!」

というようなことをよく言います。

アイスくらいいいよ、と言いたいものですが、ここで応じるような塾講師はいないでしょう。

もし応じれば、もちろん生徒はがんばるでしょう。

ただし、つぎに同じようにアイスのねだられたとき、同じように応じなければ、

「じゃあ、がんばらなくてもいいや」

というように、やる気を出さなくなるでしょう。

本来、目標を達成すること自体にやりがいを感じるものなのに、ごほうびを設けることで、目的がごほうびをもらうことになってしまうのです。

「アメ」が本来のやる気を溶かしてしまう実例です。

逆に、宿題などをやって来なかった生徒を厳しく叱りつけたらどうなるでしょうか?

叱られた生徒は、つぎはもう叱られたくない一心で、宿題をすることでしょう。

でも、やらなくても叱られないものには手をつけなくなります。

「叱られたくない」というのが唯一の動機となるからです。

「ムチ」が本来のやる気を砕いてしまうことになる、私自身の過去の失敗指導例です。

成果を出せなくなる

Sさんという中学1年生の女子生徒がいます。

この生徒は、授業中終始おどおどしていて、間違えることを恐れています。

宿題の答え合わせなどで、自分の出した答えがまちがっていることに気づくと、慌ててその答えを消して、正解を書き直してマルをつけるのです。

私は、

「まちがえるために塾に来て、まちがえた分だけ、できるようになるんだよ」

と、くりかえし呼びかけています。

それでも、Sさんは、自分のまちがいを「なかったこと」にするのです。

その後、本人と保護者から話を聞くと、中学受験勉強のときにかなり塾と親から厳しく指導されたことを知りました。

「まちがえてはいけない。先生の期待、親の期待に応えなくてはいけない」

という強迫観念にとりつかれているということでした。

このような例は、いわゆる中学受験失敗組に多く、ムチ(スパルタ式教育)の弊害です。

学術研究も芸術も、スポーツも、ものづくりも、すべてはまちがえながら完成度を高めていくものです。

勉強もまちがいなくして、進歩はありません。

それなのにSさんは、まちがえることを避け、自信が持てない問題は答えません。

「まちがい=いけないこと」だと指導されてきた子供は、その後遺症から立ち直るのに数年かかります。

一方、ムチではなく、アメ(ごほうび)で釣っても、子供はごほうびをもらいたい一心でまちがいを避けようとするあまり、結局萎縮してしまって、成果が出しづらくなります。

考えなくなる

アメとムチ方式の教育は、子供を結果だけを追求するようにさせます。

アメとムチは子供を「とにかくごほうびをもらいたい」、「とにかく叱られたくない」という気持ちにさせるからです。

小中学校の夏休みに出される宿題の定番に、読書感想文がありますよね。

この読書感想文の宿題は、子供の読書ギライにさせる元凶です。

読書は本来、たのしいものですが、宿題として強制されると嫌いになります。

人は何ごとも強制されると嫌いになるものです。

大半の子供はこの読書感想文を、あとがきをほとんどそのまま写して、最後にひと言感想を添えて書き上げます。

子供の頃から読書好きだった私もそうしていました。

そこには、読書を通じて豊かな完成を育み、感想文を書くことで文章力を高めるという、学校の先生の意図は、まったく生かされていません。

人は強制されると、それを全うすることだけに意識がいくか、放り出します。

アメとムチは、ゴールのみに意識を向けさせ、そのゴールに到達するための最短距離、近道を選ばせるのです。

そういう意味では、アメとムチは短いスパンでの単純作業、しかもその作業におもしろみを見出しにくい場合には有効です。

たとえば、ゴミ出しやフロそうじなどの手伝いを1か月継続することなどに、ごほうびをあげるのは、それらの作業に対価を得るという動機からやる気が発揮されます。

でも、もともと意味のある読書感想文や、そのほかの勉強は、アメとムチで無意味化させてしまいます。

読書感想文を課す学校の先生には、まず読書のたのしさを子供たちにプレゼンしてほしいものですし、保護者にはわが子に勉強のたのしさを伝える工夫をしてほしいものです。

さて、ここまで「アメとムチ方式の教育が逆効果の理由」を紹介してきました。

よかったら、『子どもを勉強好きにする20の方法』(WAVE出版)もチェックしてみてください。

今回の記事には書ききれなかったこともいろいろ紹介しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

お子さんが自ら進んで勉強するようになるよう、応援しています!

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