苦手を克服しようとしても、意外と成績が上がらない理由とは

親の働きかけ

子供に苦手なことがあると、それをあの手この手で克服させようとするのが親心ですよね。

特に日本人は、苦手なことが少ない「よい子」に育てようとする傾向にあります。

今回は、『苦手なことの克服』について、お話しします。

苦手を克服するよりも得意を伸ばす

たとえば、国語が苦手で算数な子供には、学校でも家でも、苦手な国語を克服させようとします。

私はシンガポールや香港でインターナショナルスクールに通う生徒を教えていたことがありましたが、個性を尊重する欧米式教育の着眼点は逆でした。

目立って得意なことがあると、他の苦手なことは学校の教師も親も本人も笑い飛ばし、得意なことをさらに得意にしようとします。

読み書きが極端に苦手でも、算数が得意なら、その算数をさらに伸ばそうと周囲がサポートするのです。

日本では、サポート=補習は、苦手を克服するためのものですよね。

私は、今後日本人が国際競争の中で力を発揮していくには、得意なことに磨きをかけてより得意にしていくことが必要だと考えています。

苦手なことを克服しようと努力するのは、日本人の美徳です。

それは、苦手を克服するという行為は、困難を乗り越える苦行であり、継続的な忍耐が必要だからです。

この、「困難を乗り越える」とか、「継続」とか「忍耐」は、人を感動させるストーリーがあります。

でも、冷静に考えてみてください。

たとえ多大な時間的、精神的負担の末、苦手を克服したとしても、「普通」に近づくだけです。

それよりも、得意なことに取り組めば、苦手を打ち消してなお余りあるくらいのスキルや力を身につけることができます。

しかも、自信とやりがいを持って取り組むことができます。

もちろん、安易に苦手を作り出して、それを放置するのは日本社会では避けたいです。

でも、苦手克服する努力をするよりも、得意を追求をするのを優先することが、じつは苦手の克服にも役立つのです。

「できる」「できた」という成功感がやる気につながる

私は、学生時代から塾講師として、国語の指導をしてきました。

講師経験が5、6年になったときに、英語の授業を任されたときがありました。

それまで英語の授業はほとんど受け持ったことがありませんでしたが、入念に予習をして望んだ結果、生徒アンケートで全講師中1位の成績をとって、当時勤めていた学習塾の社長から表彰されたことがありました。

私はずっと英語が苦手でしたが、このような結果を出せたのは、それまでの国語講師としての経験があったからこそです。

ひとつの科目を一定のレベルで指導できる経験を積むと、それ以外の科目も、勘どころを押さえた授業ができるようになります。

私の場合は、国語の指導で培ったノウハウを英語に転用することで、生徒たちの気持ちに応えた授業ができたのでした。

このような経験から、私は生徒の得意教科をさらに伸ばすよう働きかけるようになりました。

もちろん「得意」と言えるほど得意な生徒は多くないので、「少し得意」、もしくは「そんなに苦手ではない」くらいの科目がありば、その科目をもっとできるように働きかけるのです。

得意科目は苦手科目と違って、抵抗なく取り組めます。

抵抗なく取り組めるので、伸びるのも早いです。

そうすると、「できる」「できた」という成功感を得られます。

この、「成功感」は、とてつもなく重要な体験です。

自信が付きますし、ひとつのことができるようになると、「成功回路」というものが脳内にできあがります。

「成功回路」ができあがると苦手なことにも転用される

「成功回路」ができあがると、他のことにも転用され、得意なこと以外もできるようになります。

私は英語が苦手なコンプレックスの反動もあり、大学に入って中国語を勉強しました。

中国の大学に留学したり、社会人になってからシンガポールや香港に駐在したりするうちに、中国語会話ができるようになりました。

その頃、やっぱり英語も使えないと不便だと思い、改めて英語を勉強し直すと、昔は苦手で仕方がなかった英語が、意外に使えるようになったのです。

母国語以外の言語を使えるようになると、他の外国語も身につけやすくなると聞いたことがありますが、私の場合もまさにそのとおりでした。

得意なことを追求して高めていくと、苦手だったものも克服しやすくなります。

ひとつの得意を作ると、それを横展開させ、第二、第三の得意を生みやすくなるのです。

苦手を克服するのがなかなかうまくいかない場合は、思い切って得意を伸ばす作戦に切り替えてみることをおすすめします。

さて、ここまで「苦手を克服しようとすると成績が上がらなくなる理由」を紹介してきました。

よかったら、『子どもを勉強好きにする20の方法』(WAVE出版)もチェックしてみてください。

今回の記事には書ききれなかったこともいろいろ紹介しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

お子さんが自ら進んで勉強するようになるよう、応援しています!

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